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加藤キナ(革)
「花のたび 種のたび」
 

ビューーッ

今日も仕事場の裏に生えている 大きな柿の木に

ちいさな小さなキツツキ「コゲラ」がやって来た

 

ビューーッ コツコツコツ

ビューーッ コツコツ

 

木の幹にかくれている虫が目当ての彼らの隣りでは

シジュウカラ達が熟れはじめた柿の実をつついている

 

もう少し熟した頃に オナガやムクドリ達もやってくる

 

手を休めて見ていると 思うことがある

 

こうして 鳥たちに食べられた実は 空高く舞い上がり

見知らぬ土地に 糞として種を落とされる

そこで 静かに力をたくわえて

時を待ち 発芽する・・・

 

むくむくと成長したその芽は

やがて 美しい可憐な花を咲かせる

 

その花の蜜は 蝶々や蜂 ヒヨドリたちの大好物

 

あまい甘い魅力によって 無事に受粉された花は

また ふっくらと膨らんだ ゆたかな実をつける・・・

 

私たちの仕事も 同じなのではないかと思う

 

どこかで感じた感動が 私になにかを作らせる

それに 響いた誰かのもとへ その感動はつたわっていく

 

ちいさな 心の旅

 

そんな想いのつまった物たちと お待ちしております

 

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